教務・情報担当者の先生方は、お忙しいことと思います。少しでも参考になれば幸いです。以下は教務の先生へということで書いていますが、情報担当の先生にもご協力いただければと思います。

教務の先生へ提案

働き方改革の一環としてポータルサイトを作成してみませんか?

学校によって、月案、週案、日案を出されていらっしゃるところもあるかと思います。思い切って削減してみてはいかがでしょうか?
「そうはいかない」と思われる先生もいらっしゃると思うので、せめて、1つのファイルに記入するとそれが月案、週案、日案に連動するようにすればだいぶん時間が減ると思われます。

このようにデータを1本化するには、これまではできないことはありませんが、難しく、逆に時間がかかってしまうことがありました。しかし、Googleを使うことで可能になりました。

具体的には、

1 中心となるスプレッドシートにすべてのデータを集約します。

2 1のデータから、月案の形の別のスプレッドシート、週案の形のスプレッドシート、日案の形のスプレッドシートに該当する部分のみをリンクさせます。

3 これによって、1のデータを記入さえすれば月案、週案、日案すべてが完了します。

4 この一連のデータを、教育課程のデータとも連携させると、教育課程が完成するときにすべての月案、週案、日案が完成し、その後は訂正部分のみを訂正すればよいということができます。

5 さらにこのメインのデータを他の職員に開放すると、時数の見通しなどを立てることがあり、それぞれの学年で自主的に教育課程に参画していただくことができますし、予備時数の調整もリアルタイムで可能になります。予備時数0も可能になります。

※予備時数0について
 これまで予備時数をとっておかないといざというときに大変だという声がありました。もちろんそうではありますが、教育課程は年度初めに基本形が作成されそれ以降はどの学年が現在どのくらい時間を使っているかはそれぞれが把握するのみでした。もちろん教務や学年主任を中心に計算していたと思いますが途中臨時休校が入ったら一体何時間不足してくるのかを明らかにするのは大変な作業が必要です。

 そこで、予備時数0にするために、リアルタイムで各学年の時間数が把握できるように中心となるスプレッドシートに組み込みました。しかも学年主任には年度の時間数をリアルタイムに見ながら時間割調整できるようになりました。さらに調整が全員が把握できるような環境ができました。

(私はこのようなものを作成していました)

いやいや、そんなの作れないし、作る時間があれば現在のシステムをした方がよいと思われるかもしれませんが、いったん頑張って作成するとかなり時間短縮できます。

教務の先生 作り方

1 中心となるスプレッドシートには、教育課程、月案、週案、日案に必要なデータをすべて入れてみます。横長になりますが、各学年の基本時間割(〇を記入)も入れると時数計算もできます。

2 月案、週案、日案の形式を中心となるスプレッドシートの形式に合わせます。もし、月案が縦、週案が横などになっていたら、それでもできるのですが思い切ってすべての形式を合わせます。

3 リンクの飛ばし方

  関数は、
=IMPORTRANGE("中心となるスプレッドシートのアドレス","中心となるスプレッドシートの範囲")

=IMPORTRANGE("アドレス","6!B7:MZ14")   6!は、中心となるスプレッドシートのシート名! それの範囲がいかに続きます。

これで中心となるスプレッドシートの範囲を別のシートに表示させることができます。

しかし、これでは、毎年毎年アドレスを設定しなければならす、大変です。

そこで、月案、週案、日案のスプレッドシートに、設定のシートを作成し、そのB2のセルに基本となるスプレッドシートのアドレスを貼り付ければ変更できるように、先ほどの関数を変更します
設定シート名は a

以下は、シート名aのB2に書いてあるアドレスの、設定シートaのE3に書いてある場所からH3に書いてある場所の範囲を貼り付けるという感じです。このように基本となるスプレッドシートが来年度変更しても設定ページを変更すれば利用できるようにしておくと便利です。

=IMPORTRANGE(a!$B$2, a!E3 & "!" & a!H3)

ざっと書きましたがこれを利用することで中心となるスプレッドシートと月案、週案、日案が連動し、教務の先生は1か所記入すればすべてが出来上がるようなシステムにすることができます。

しかもこれをポータルサイトに掲示しておけば、印刷も不要です。もちろん印刷したい方は個人で印刷しても構わないし、PCのない職員には印刷する必要があります。

教務の先生 時間割

次は各学級の時間割についてです。

現在様々な働き方があり、午前中のみの先生や時間指定の先生、複数校またいだ外国語の先生など複雑になっています。そうなると専科の時間など教室配当が複雑になってしまいます。

また、各専科の先生方はそれぞれがそれぞれの形式で時間割を出すでしょうからなおさら複雑になってきます。

そこで、私の作成した例をお知らせします。

1 基本時間割の作成
  全校の学級の基本時間割をスプレッドシートで作成しました。もちろんそこでは「国」「算」のように教科名は1文字で入力します。こちらに基本的に先生方は教科を記入していただく。専科の先生もこちらに記入する。

2 各学級の時間割作成
  基本時間割から上の月案のようにリンクで飛ばして各学級の時間割を作成 実際には「国」を飛ばした後に「国語」(教科名は低学年はこくごなど表記は自由に設定)に変換してそれを各週の時間割シートに飛ばします。担任は教科の内容を記入するのみです。

3 さらに、特別支援学級の児童用にはそれぞれの所属学級の時間割がそのままリンクされ、変更必要な部分のみ書き直すだけで時間割完成

4 そしてこれらすべてポータルサイト上に掲載されているので各学級の状況把握ができます。

5 さらに、先生方の突然の年休があった際には、基本時間割を見てどの学級の先生に補欠授業をお願いするのかがすぐに把握できるのでスムーズに自習時間の作成が完了できました。

いかがでしょうか。全学級の時間割ファイルを作成するには大変かと思いますが、時間割ファイルの作成の工夫によりそこまで負担はありません。

シート名から時間割を作成することがコツになります。

今後ビデオ作製予定

もしものために

もしものために、作成したファイル(特に中心となるファイル等)は、定期的にバックアップできます。Google Apps Script(GAS)を利用します。チャットGPTなどのAIを利用するとプログラムは早くできます。